「先生。さっそく、昨日の続きをお願い致します」
「はい。わかりました。第一感としては、
6頭ボックスで間違いなしということなんですが、事態は急変しておりまして…」
「どうかしたのですか」
「ええ。天候がいけません」
「お天気ですか」
「そうなんです。どうも、パンパン馬場というわけにはいかない」
「するとどうなるんですか」
「差し馬が不利な展開となります。今年の肉食女子を代表するブエナビスタ、政権交代ならアンライバルド、安定感ならびか一のドリームジャーニーと、上位を予想していた馬が揃って不利になる。引退へのはなむけに中山競馬場には滅法強いマツリダゴッホには有利ですが、不安要素もある」
「私は、マツリダゴッホがどうも気にいらないんですがね」
「だんだん、あなたも読みが鋭くなってきましたね。確かに、マツリダゴッホが来るためには条件がある」
「なんですか」
「体重です」
「体重?」
「ええ。馬体重です。お馬さんは、とってもお利口さんな動物でしてね。おそらくゴッホも今回が最後のレースだということを感じていると思います」
「何ですって!」
「ええ。間違いなく引退レースということを知っています」
「そんな馬鹿な」
「そこで気を抜いてしまう馬と頑張っちゃう馬に分かれます」
「信じられないなあ」
「気を抜いた馬は、まず太る。体重に現れるのです。前走時に比べプラス10キロ以上も差があるようでは、おそらく着外」
「マイナス10キロ以上の場合は?」
「馬も人間と同じで、冬場には太りやすいんです。しかも、引退間際の馬ともなれば、人間で言えば中年です。太って当然のところです。それが痩せちゃっているということは、体調が良くないということです。ゴッホは大型馬ですが、マイナス5キロからプラス8キロぐらいまでが限界でしょうね」
「さすが先生。読みが深い」
「そして、道悪ということになりますと、武豊の騎乗するリーチザクラウンなんかにもチャンスが出てきてしまう。ミヤビランベリ、フォゲッタブルにも注意が必要です。それと、ここへ来て、ネヴァブションが良いですね」
「いつもの先生と違って、トーンが下がっていませんか。まあ、良いです。ここで、ズバッと結論をお願い致します」
「そうですね。最終予想は、明日決定させていただこうと思います」
「なんか、先生らしくないなあ。では、結論は明日に持ち込みとさせていただきます。明日こそは、ズバッとお願いしますよ」
「番記者さんは気楽でいいなあ(笑)」
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