2010年3月30日火曜日

予想バトル勃発!

「番記者さん。長い間お世話になりました。今日は、最後のご挨拶にまいりました」
「先生。それが、そうもいかない状況になって来まして。おやっ、そちらのお連れさんは」
「これは私の弟子で、龍之介と申します。最後なので、ご挨拶にと連れてまいりました。これ、ご挨拶いたしなさい」
「拙者、二本気龍之介と申します。以後、お見知りおきを」
「へえ、辰先生にはお弟子さんがいらっしゃったのですか」
「ええ、まあ。口下手なのが玉にきずなんですが、最近じゃあ、重賞予想は龍之介の方がよく当たります(笑)」
「そりゃあ驚いた。先生よりも的中率が良いんですか」
「ええ。こいつはまだ若いもので、華やかなレースに憧れちゃいましてね。師の教えである3歳未勝利戦には目もくれない(笑)」
「これは面白いことになりそうだ」
「何がですか」
「実は、こちらも客人が一人来てまして」
「ほほう。よこたんですか」
「いえいえ、客人というよりはむしろ刺客です」
「それは物騒な話だ。かかわらないうちに帰りましょう。さあ、龍之介いきますよ」
「ちょっと待ったあ」
「ああ、紹介する前に出てきちゃいました」
「わては、さぶやん言いまして、競馬予想に関してはちとうるさいんでっせ。何しろ正真正銘の予想屋さかいな。学者さんの予 想は所詮素人予想の域をでまへんな。その証拠に、予想馬券が3連単でんがな。3連単で累計収支をプラスにしようなんて、プ ロの予想屋なら考えまへん」
「私はプロの予想屋ではありませんから構いませんが、3連単の破壊力はプロと名乗る方ならご存知でしょう」
「もちろん、知ってまっせ。そのかわり、的中率が激低なのもね」
「そんなに低いとも思いませんが」
「そこでんがな。わてら予想屋の間でも、辰予想は3連単の予想にしちゃあ当たりすぎる。挙げ句の果てには、プロの予想屋も 3連単を主流にしたほうがいいんじゃねえかって奴まで出る始末」
「良いではないですか」
「あきまへんな。常勝競馬の基本は馬単でっせ。3連単なんて、所詮素人の遊び。儲けることなんてできまへんのや」
「私はそうは思いませんが」
「そこでんがな。わてらの若い衆の中にも、そんな不届きな奴らが出てきた。そこで、わてが辰之進先生と勝負をして、馬単こ そ最強ということを証明することになったというわけどす」
「なんと言われようと、私は重賞から身を引いたのです。変な言いがかりをつけるのは止めてもらえませんか」
「ふん、腰抜けが」
「どこのどなたか存じませんが、拙者の師匠を腰抜け呼ばわりするとは許せねえ」
「ほう、若けえの。許せねえなら、どないするってえんだい」
「師に成り代わり、拙者が勝負いたす」
「これ、龍之介。止めなさい。相手はプロの予想屋さんですよ。いくら修行を積んだ身とはいえ、おまえにはまだ実践経験がない。机上の 予想と、実際に馬券を買うこととは違うんですよ」
「お師匠さん、承知しております。しかし、いずれは拙者も実践をせねばならぬ身。ここはひとつ、拙者を信じて任せてはいただけないで しょうか」
「うむ、龍之介。おまえがそこまで言うのなら」
「面倒くさい師弟でんな。どっちでもよろしいでっせ。わてと勝負する勇気があるんでっか」
「おのれ。言わせておけば不届き千万」
「若えの。威勢だけはよろしゅうおまんな」
「お師匠さん」
「よろしい。いずれ経験せねばならぬこと。思う存分おやりなさい。ただし、もし万が一破れるようなことがあれば、一から3 歳未勝利戦の研究をするのですよ」
「ありがとうございます、お師匠さん。さあ、さぶやんとやら。いざ、尋常に勝負でござる」
「いやあ、これは大変なことになってきてしまいました。辰先生も、それでよろしいのですね」
「もちろん、異存はありません」
「ほな、ルールだけ決めときまひょうか」
「拙者は、いつ何時誰とでも、どんなルールでも逃げはせぬ」
「わてもよろしゅうおま。ルールは番記者のだんなにお任せしまっせ」
「そうですか。任せていただけますか。辰先生もよろしいですね」
「ええ。かまいませんよ」
「それでは、ルールを発表致します。予算は1日につき、重賞1レースにつき1万円。2レースある日は5000円と15000円という 掛け方でもOKです。そしてさぶやんと龍之介さんには重賞を予想していただきます」
「よろしゅうおま」
「承知いたした」
「そして、辰先生には」
「ははは。審判でも致しましょうか」
「とんでもありません。辰先生にも予想に参加していただきます」
「そんな。重賞予想は龍之介に任せます」
「はい。重賞予想はさぶやんVS龍之介さんです」
「では、私は審判を」
「いいえ、違います。私は、かねがね先生のおっしゃる必勝法に大変興味を持っておりました」
「そうですか」
「そこで、辰先生には同金額で好きなレースの予想をしていただきたいと思います」
「何と。重賞レースではなくても良いのですか」
「さぶやん、龍之介さんよろしいでしょうか」
「わてはかましまへんで。もともと重賞の方が予想はしやすいんでな。先生とやら、かえって不利な条件になってもうたんやないでっか」
「龍之介さんもよろしいでしょうか」
「お師匠さん越えは拙者の夢。異存などあろうはずがごさらぬ」
「辰先生はいかがですか」
「皆さん重賞レースを誤解しているようですね。重賞とは見て楽しむもの。稼ぐレースなら他にいくらでもあるのです。龍之介 にもそれを思い知らす良いチャンス。お引き受け致しましょう」
「わあ。これは凄いことになってきたぞ。プロの予想屋さぶやん対辰先生の一番弟子龍之介さんが重賞レースで対決。それと同じ賭け金で 辰先生が必勝予想で勝負だ」
「番記者さん。勝負は1ヵ月のトータル収支でお願い致します」
「わかりました、先生。皆さん、それでよろしいですか」
「ああ、よろしゅうおま」
「望むところです」「では、4月3日よりスタートです。予想はレース当日の9時までにお願い致します。それでは、ファイト

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