「わてはどこやらの先生と違うよって、 仕事は土日しかしていまへんのや。呼ばれりゃいつでも来まっせ。 逃げたりなんてしまへんのや。 番記者のだんなも逃げてまんな」
「あはは。やっぱ、わかっちゃいます。番記者さんたら、 すぐ逃げちゃうのよ。ところで龍ちゃん、先生はどうしたの」
「よこたんさん。本日、先生は講義に出かけておりまして、 あいにくの欠席ですが断じて逃げたのではありません」
「ふん、どうでっしゃろな」
「なんと、ちょこざいな。おぬしごときは、拙者で十分でござる」
「あはは。火花バッチバチですねー」
「ねえちゃん。こんな古くさい奴の予想なんて当たるんでっか」
「あら。龍ちゃんは、辰先生の1番弟子なのよねー」
「ええ。弟子は私一人ですので、そうなります」
「笑わせてくれはりまんな」
「無礼千万。先生はもともと弟子など取らぬお方」
「まあ、結果がすべてのこの世界。レースが終わってからも、 その元気があるとよろしゅうおまんな。第一、 ダービー卿CTで去年の覇者 タケミカヅチを予想の片隅にもいれな いとは、素人でんな」
「過去の実績だけで勝てるほど競馬の世界は甘くはござらぬ。 半年以上もブランクがある馬が、 いきなり活躍できる確率はデータ的に低い というまでのこと。 それより、 おぬしの予想こそ当たっても元が取れるかどうか怪しいでござるよ 」
「このレースは適度に荒れまっせ。そのための馬単ボックス。 しかも、1点300円の掛け金にしてありまんのや。 タケミカヅチは、もし もの時の保険でんな」
「龍ちゃんも、なんか言ってやんなさいよ」
「拙者も荒れるとの予想。ただし、荒れるのは3着。 これがハマるようだと、馬単など粉砕でござる」
「それもこれも、当たればこそでんな。わてらプロは、 一発長打は狙いまへんのや。それよりも、着実に勝ち続ける。 それが常勝の基本で んな。一発にすがるのは素人でっせ」
「一発が出ないのが素人。 たまに一発を当てるのがプロというもの。この一ヶ月で、 一発の恐ろしさを思い知るが良い」
「あんさんこそ、 勝ち続けることのむずかしさを思い知ることになりまっせ。 競馬の基本は、的中率、 破壊力等すべて考慮した うえで馬単が最強ということを、 とことん教えてあげまっせ」
「なんかよくわかんないけど、迫力でさぶやん。 知的な雰囲気では龍ちゃんね」
「産経大阪杯でもそうでっせ。このレースは堅い。 絶対とらなくちゃならないレースでんな。 わての予想はほぼ100%的中や。しかも、 1 点1000円買いでんな。ところが、 あんさんの予想ときたらドリームジャーニーが2着に敗れた時点で 終了でんがな。 59キ ロの斤量は軽量のこの馬には酷な斤量でっせ。 前回も3着に沈んでまっしゃろ。的中率は50% 程度やおまへんかな。しかも、 1 着に来たところで2着3着も荒れはしまへんで。つまり、 あんさんの馬券の買い方は、確率を低くした上に、 堅いレースを点数だけ広げ、 当たったときでも低い配当となる。 つまり、まるっきりの素人予想でんな」
「龍ちゃん。あんなこと言ってるわよ」
「おぬしの見抜いたとおり、 このレースは確かに一か八か勝負でござる。ただ、 おぬしはドリームジャーニーを軽視しておる。この馬の能 力は、 非常に高い。もしも馬単で買うならば、 マルチにせずに1着を固定して掛け金を2000円にすれば良かっ たと後悔する でござるよ」
「パンパン馬場なら、それもありだ。ただ、 やや重になるんやおまへんかな」
「うーむ。こやつ、できる」
「強そうなの、龍ちゃん」
「さようでござる。今回は、ちと部が悪うござるな。 実践初戦にて、いきなりの敗北を味わってしまうやもしれぬ」
「いやー。龍ちゃん、よ・わ・きー」
「それほどの敵ということでござる」
「あんさん、やっとわかったかい」
「どうするの、龍ちゃん。先生に代わってもらう?」
「それがよろしゅうおまんな」
「とんでもござらぬ。 たとえ初戦に敗北するようなことになろうとも、 それも修行のうち。勝負は1ヶ月のトータル収支。まだまだ、 勝 負は始まったばかりでござる」
「龍ちゃん、がんばって。初戦だって、 まだ負けたと決まったわけじゃないわ。 次週のことは結果が出てから考えればいいじゃない。 あ たしは龍ちゃんを信じてるわよ」
「ありがとう、よこたんさん。 こんな未熟な拙者を信じてくださるのか。かたじけない」
「それよりも」
「なんでござるか」
「結果が出る前に、パーっと行きましょう。結果が出る前に」
「本当に信じてくださってるのか」
「あんさん、まだまだ若いのお」
「当日の辰予想も、忘れないでね。さあ、龍ちゃん行くわよー」
「あはは。やっぱ、わかっちゃいます。番記者さんたら、
「よこたんさん。本日、先生は講義に出かけておりまして、
「ふん、どうでっしゃろな」
「なんと、ちょこざいな。おぬしごときは、拙者で十分でござる」
「あはは。火花バッチバチですねー」
「ねえちゃん。こんな古くさい奴の予想なんて当たるんでっか」
「あら。龍ちゃんは、辰先生の1番弟子なのよねー」
「ええ。弟子は私一人ですので、そうなります」
「笑わせてくれはりまんな」
「無礼千万。先生はもともと弟子など取らぬお方」
「まあ、結果がすべてのこの世界。レースが終わってからも、
「過去の実績だけで勝てるほど競馬の世界は甘くはござらぬ。
「このレースは適度に荒れまっせ。そのための馬単ボックス。
「龍ちゃんも、なんか言ってやんなさいよ」
「拙者も荒れるとの予想。ただし、荒れるのは3着。
「それもこれも、当たればこそでんな。わてらプロは、
「一発が出ないのが素人。
「あんさんこそ、
「なんかよくわかんないけど、迫力でさぶやん。
「産経大阪杯でもそうでっせ。このレースは堅い。
「龍ちゃん。あんなこと言ってるわよ」
「おぬしの見抜いたとおり、
「パンパン馬場なら、それもありだ。ただ、
「うーむ。こやつ、できる」
「強そうなの、龍ちゃん」
「さようでござる。今回は、ちと部が悪うござるな。
「いやー。龍ちゃん、よ・わ・きー」
「それほどの敵ということでござる」
「あんさん、やっとわかったかい」
「どうするの、龍ちゃん。先生に代わってもらう?」
「それがよろしゅうおまんな」
「とんでもござらぬ。
「龍ちゃん、がんばって。初戦だって、
「ありがとう、よこたんさん。
「それよりも」
「なんでござるか」
「結果が出る前に、パーっと行きましょう。結果が出る前に」
「本当に信じてくださってるのか」
「あんさん、まだまだ若いのお」
「当日の辰予想も、忘れないでね。さあ、龍ちゃん行くわよー」
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